人は誰でも人生の中で絶対に手に入れたいものがあります。
しかしそれを手に入れられるかどうかとなると、夢が大きければ大きいほど難しいと人はだれしも考えます。
縁がなければどんな夢も叶えられないと言う人もいます。
夢をもって強く念じれば必ず夢は叶うという、アメリカンドリーム的な有名な本も沢山出版されています。
自分は坐禅、ヨガ、気功、太極拳、マインドフルネス、西野流呼吸法など多くの精神修養法を長年実践してきました。
そしてその方法は長期間続けるとどれも効果があります。
特に自分の場合はアルコール依存症を克服し、集中力が以前より格段に良くなり、小さいものから大きいものまで自分の叶えたい夢はほとんど叶えることが出来ました。
精神修養法で全てに共通して重要視されているのが呼吸法です。
これほどまでにほとんどの精神修養法に共通する呼吸法とはどのようなもので、どのような効果があるのか、なぜ重要視されるのかを考察します。
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呼吸法とは
日本の精神修養法で共通していることは腹式呼吸法です。
肺を広げたり狭めたりする胸式呼吸法ではなく、横隔膜を上下させ腹を膨らませたりへこましたりする呼吸法です。
日本では昔からラジオ体操が有名ですが、あの最後に行う腕を大きく上に伸ばして肺を大きく広げて息を吸い、腕を降ろして肺を狭めて腕を降ろすのは典型的な肺呼吸です。
なぜ腹式呼吸が取り入れられているかというと、胸式呼吸より数倍多く酸素を体内に吸収できるからです。
もう一つ大きな理由は腹式呼吸をすることにより、精神が統一しやすいということです。
古くから日本の武道では肚に力をこめるという言い方をしますが、丹田を意識することが非常に重要と言われてきました。
これは気が上に上がらないようにする秘訣なのです。
現代風に言うと緊張して上がってしまったとよく言いますが、そうならないための秘訣なのです。
一言でいうと完全なリラックス状態です。
精神修養法の必要性
昔武士がいた時代は、一瞬の油断が命取りになるので自分の身を守る剣術として精神修養法がありました。
その他、宗教家が悟りを開く方法、人間力を磨くための方法など様々な人たちが、それぞれの道を求めて行ってきた行などがそれにあたります。
現在では日常に命にかかわるような危険もありません。
自分の様々な能力を高めたり複雑な社会のストレスを発散する方法として、精神修養は必要不可欠となっています。
また願望を実現するためにも必須となります。
願望実現法
書店に行くと願望実現法として様々な本が並んでいます。
特に目立つのは、アメリカを中心としたジョセフ・マーフィー、ナポレオン・ヒル、マーク・フィッシャーなどの強く願望すると願いが叶う、思考は実現化するなどと書かれた本です。
いずれの人も100年以上前に活躍した人で、いまだに願望実現法の本のバイブル的な存在となっています。
自分も若い頃に願望を実現したくて必死になって読んだものです。
それから数十年もたちますが、願望実現法の本はほとんどがベストセラーになっているといいます。
裏を返せば、そんな本を読んで皆に効果があれば、皆とっくに願望が達成してそんな本は売れなくなっているはずです。
これらの本は嘘を書いていないと思いますが、願望を実現できる人は100万人に一人くらいの特別な能力を持っている人だけですとは書いていないので、皆勘違いしてしまうのです。
100年も前に書かれた本なので、現在からかけ離れた表現もありますし、最新の精神医療から見てもかなり無理な表現も多くあります。
また、作者が現在存在しないので、出版社の都合で本が売れるために相当捻じ曲げられた部分があるのも否めないのです。
願望が実現しない理由
私が20歳代後半から30歳代半ばまで、これらの本に夢中になりました。
しかし願望は全く叶わないどころか、自分の我が強くなりすぎて精神的に苦しい時代が続きました。
なぜ本に書いてあるように願望を大きく持って強く願っているのに実現しないのだと、自分の性格を卑下したりしてストレスを溜めていったのです。
丁度この頃から酒量が極端に増えて、アルコール依存症に片足を突っ込んでいったのです。
それから数十年が過ぎた今、なぜ願望が叶わなかったのかはっきり分かります。
それは一言でいうと、我が強すぎて脳波がアルファー波になっていなかったのです。
精神修養法の効果
精神修養法を長年やってきて、以前と一番変わってきたことは思考方法です。
以前は、何をするにも思考が止まりませんでした。
詳しく説明すると、例えば食事をしている時でも前日の上司の言ったことを考えていたり、歩きながらでも常に何か考え事をしていました。
今現在していることと全く関係ないことを夢想していたのです。
現在風に言うとコンピューターのメモリーが眠っているとき以外はフル活動していたということです。
これでは、本当にメモリーが必要な時にうまく機能しないのは当たり前なのです。
したがって、脳が休まることがないので常に疲れ切っていました。
仕事が終わる頃には99%エネルギーを使い切っている状態でした。
そんな時に居酒屋で一杯やると急に元気が出てきました。
今なら理解できるのですが、アルコールがメモリーを解放してくれたのです。
現在では、何かしている時はその事に没頭できるため、メモリーの使用率は非常に少ないために日常の疲れはほとんどありません。
リラックスした状態が長続きするということです。
本当の願望実現法
願望を実現するためには3つの大事なことがあります。
一つは脳をアルファー波状態にすることです。
アルファー波とは坐禅などをすると出てくる脳波で、一口で言うと心身ともにリラックスした状態の時に出る脳波の波形です。
温泉につかって何も考えないでリラックスした状態といえます。
この状態を日常的に保つために、先ほどから書いてきた坐禅とかヨガの精神修養法が必要になってくるのです。
特に日常的に腹式呼吸ができるようになるとリラックス感が倍増します。
二つ目は我をなるべく少なくするということです。
我とは自分の事しか考えないということです。
願望実現とは自分の夢を叶えるということですから、我の塊ともいえることです。
その中で我を少なくするということは矛盾することなのですが、なるべく少なくした方が願望は叶えやすいのです。
具体的に表現すると、夢がかなった時に人のためになることを願望した方が叶えやすいということです。
三つめは願望が叶った時のワクワク感です。
どんな願望でも、自分が心の底からワクワクした思いが沸き上がらないことは実現しません。
例えばですが、美人の女性と結婚したいと願望したとします。
この時、でも美人は皆にちやほやされて性格もあまり良くないだろうし、結婚しても金遣いも荒いし苦労が絶えないだろうなと考えてしまっては絶対に願望は叶いません。
願望を叶えるためには、美人が本当に好きだし、結婚生活でどんな困難なことが起こっても美人の妻が傍にいることは自分にとって最高の幸せだと思った時に夢は叶うのです。
願望実現法をまとめると、リラックスした精神状態で、なるべく我を少なくして、自分が心の底からワクワクすることを願うということです。
世に出回っている願望実現法は、この辺の精神状態のことは全く触れていません。
ただこのような精神性を無視して強い願望を持ったところで、心の中に強い拒否感が増大するだけで決して夢が実現することはないのです。
このことを理解しないことには、かえって夢が叶わなかった時の恐怖感を増大させるだけで、願望とかけ離れた状態に追い込まれることにもなりかねないのです。
くれぐれも遠回りの願望実現法を行い、時間を無駄にしないように願っています。
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