人は誰でも好きな仕事をしたいと願うものです。
好きな仕事をしたら毎日が楽しくて、時間が経つのも早いだろう。
毎日好きな仕事でワクワクしたらどんなに幸せなことだろうと考えます。
それは本当でしょうか。
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好きな仕事はいつまでも好きな仕事なのか
日本では有名な解剖学者で本も数十冊出版している人が、次のような話をしているのをマスコミで見たことがあります。
「大学の医学部に入り、本当に好きだと思った解剖学を専攻しました。最初は好きな学部なので楽しくて仕方がなかった。しかし人間の死体を解剖するのでいつでも手に入るわけではない。元旦に死体が手に入るとなると、正月休みも返上して解剖しなければならない。好きな解剖だけをやっていられると思ったけれども、実はその裏では解剖とは全く関係ない膨大な雑用がたくさんあり喜びもつかの間だった。」
というようなことを自身が話していました。
この話は、10年以上仕事をした人なら実感として分かるはずです。
どんな仕事も一長一短がある
数年前に話題になったブラック企業は論外ですが、どんな仕事であっても表と裏の面を持っています。
自分の友人で、ある大手のIT企業に勤めている人がいました。
はた目には、大手IT企業で収入も高く休暇には家族で海外旅行をして、さぞ幸せな暮らしをしているように映るはずです。
しかし、友人であるがゆえに酒の力もあったのか、実情を包み隠さず教えてくれたことがありました。
彼曰く、
「最初のうちは、会社は好きなプログラムを自由に作らせてくれて本当に楽しかった。そのプログラムがめでたく大手企業のシステムに採用されることになり最高の気分だった。
しかしそのシステムが本格的に使われ始めると、やはり細かいバグだとか思わぬエラーなどが出てくるようになった。
コンピューターに休みはないので、バグなどの苦情により盆や正月、昼夜を問わず呼び出しが来るようになった。
自分以外はそのプログラムに精通していないので常に自分が対応しなければならなかった。
この20年間は海外旅行はおろか、3日間以上の旅行はしたことがない。
自宅から車で3時間以上かかるところには日帰りでも遊びに行けなかった。」
これが、誰でも憧れるIT企業の実情なのである。
もちろん、ほんの一握りの天才プログラマーは夢のような生活をしているかもしれないが、ほとんど99.99パーセントのその他の人たちは自分の友人のような生活を送っているのです。
この友人は、何とかそのIT企業に20年勤務したが、体調を壊して数年間自宅療養をした後、海外協力隊として開発途上国でコンピュータープログラムを教えることで活躍しています。
どんな仕事でも裏と表の面がある
面白い部分だけの仕事もないし、面白くないだけの仕事もないのです。
どんな仕事でも雑用的なこともあるし、左遷などにより仕事の内容がガラリと変わることもあるのです。
どんな単純労働であっても、自分の考え方ひとつでそれを修行として捉えて自分を高めることができるのです。
ある有名なユーチューバーが言っていますが、3年間この業界にトップでいるのは宝くじに当たるより難しいだろう。
1日24時間、夢の中でも題材探しをしていますと。
時給にしたら、普通のサラリーマンの方がよほど高いだろうとこぼしていました。
この現実が、子供が一番憧れる職業であるユーチューバーの本当の姿なのです。
こう考えると、好きでも嫌いでもない普通の仕事をすることが一番の幸せに思えるのは自分だけだろうか?
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