アルコールと睡眠の関係

秋が深まり日の出が遅くなり、睡眠を十分に取ることができる季節になりました。

 

アルコールと睡眠は深い関係にあり、自分もアルコール依存症から回復しても睡眠障害に悩まされる長い日々が続きました。

 

今はほとんど睡眠不足に悩まされることはなくなりました。

どのように回復していったか経過を述べたいと思います。

スポンサーリンク

   

睡眠は人間の三大欲求の一つ

 

食欲、性欲、睡眠欲は人間の最も基本的な生理的欲求として知られています。

その内の睡眠欲は、もっとも精神的な部分とつながっているといわれています。

 

誰でも、仕事・家庭などで深刻な悩みごとが生じたときは眠れない経験をしていると思います。

しかし、その悩みごとが解決すると次第に睡眠障害に悩まされることがなくなり、熟睡できるようになってきます。

 

また、睡眠中は身体的な疲れを取るばかりではなく、体のホルモンバランスを調整したり、精神的なダメージなどを修復してくれるともいわれています。

 

アルコールに依存すると睡眠障害は確実に出現する

 

ところがアルコールに依存してくると、寝付きはすごく良くなるのですが中途覚醒が起きてきます。

中途覚醒とは夜中に目が覚めてしまうことです。

 

アルコールには催眠作用があるために、自分の経験からいっても確かにすぐ眠りにつくことはできます。

しかし1時間もするとすぐ目が覚めてしまうのです。

 

その後が地獄になるのですが、やたら目が冴えて眠ることができなくなります。

眠れないことに悶て、最終的にアルコールをまた飲んでしまいます。

そして1時間後にまた目が覚めて再飲酒を繰り返す、これがアルコール依存症にはまり込むもっとも基本的な最初の症状になります。

 

アルコール依存症の始まり

 

そうなると、朝は酩酊状態で迎えることになります。

酔っ払った中で通勤し、会社に着いたときには酔が覚めた状態になるので二日酔い状態が出現します。

 

何とも言えない無常観・無力感が出現したりします。

そうなると仕事にも熱が入らなくなり人間関係にも不調が生じ、早く退社して早く酒が飲みたいと熱望することになるのです。

そして一滴アルコールが体に入った時の何とも言えない開放感が病みつきになっていきます。

 

専業主婦の場合も同じく、酩酊状態で朝起きて何とか朝食を作り夫・子供を送り出しますが、その頃には体からアルコールが抜けてムカムカした無気力感・焦燥感に苛まれて、それを避けたいがために一滴アルコールを体内に取り込むとたちまちその苦悩が消え去り、ルンルン気分最高潮になるのです。

 

男性も女性もこの経験が、アルコール依存症の第一歩になるのです。

 

アルコールの睡眠への影響

 

アルコールを飲むと様々な障害が出ますが、一番影響されるのは睡眠の質を下げることです。

飲酒により夢を見るレム催眠が極端に減り、睡眠の質に極端な歪が生じます。

そのために目覚めがスッキリしない、ストレスがなかなか取れないなど肉体的にも精神的にも、いわゆる何かが溜まっていく感覚に襲われます。

それが長期間続くと何かのはけ口が欲しくなり、一番手軽なアルコールに手を出すことになるのです。

 

睡眠障害はなかなか手ごわい

 

自分はアルコール依存症から開放されて10年になりますが、未だに長時間熟睡することができません。

自分の経験から、アルコール依存症から回復しても睡眠障害はなかなか治らないものなのです。

それほどアルコールの脳への影響は深刻だということなのです。

 

今でも眠りにつくまでに2時間位かかります。

その後、ウトウトしたり夢を見たりで毎日6時間位は布団の中にいます。

たぶん2時間位は熟睡していると思います。

しかし不思議なことに、朝の目覚めはそれほど悪くはないのです。

 

毎日6時間は熟睡しなければいけないとか世間ではよく言います。

しかしそれは非常識なのではないかとも感じています。

 

自分の場合、こんな睡眠の質ですが昼寝を15分間もするとなんの支障もなく1日を暮らすことが出来ます。

一番重要なのは世間の常識ではなく、自分が何の支障もなく1日が暮らせるのであればそれで十分なのです。

 

今の時代あまりにも情報が多すぎて、みんな何を信じるか分からなくなっています。

十分な睡眠を取らなければ、良い仕事が出来ないとか良い家事が出来ないとかあまりにもマスコミに踊らされ過ぎているのです。

しかし自分の心の奥底を信じ、それで支障がなければそれ以上のことはいらないのです。

 

アルコール依存症の状態で一生を送ることに、自分は死ぬ時に本当に後悔しないのかと秋の夜長に考えてみることも最高の依存症予防になることでしょう。

スポンサーリンク